第4日目 日本最東端の地へ

2002/2/21


今日は、5時半くらいに起きて、流氷の海からの日の出を狙いにお出かけ。ちなみに、日の出時刻は、6時20分頃の見込みだとか。
まともに日の出を見るなんて初めてのことである。当然、写真を撮るのも初めて。刻々と明るくなっていき、露出も刻々と変わっていく。
知床の山々の間から、上がってくる太陽は、感動である。そして、あっという間の出来事である。

朝は、まだ寒く、手袋をしていないと手が辛い。とは言え、こういう写真撮るのは面白い。1時間以上、海岸で粘った後、朝食を摂りにユースホステルへ戻る。

さて、この後どうしようか。今日・明日は、北浜に来て天気が悪かったときには、長くいられるように、予定を入れていない。いわば流氷予備日である。幸いにも、昨日・今日と天気に恵まれ、流氷もじっくり見られたし、次の地へ向かっても良い状態である。
せっかくだから、また北浜のような素敵なところに行ってみたいものである。いろいろと考えたところ、今日は天気がいいし、この後の釧路行きの列車に乗れば、日本最東端の納沙布岬まで行けそうである。この納沙布岬は、夏に来たことがあるが、霧の納沙布で全然展望がなかった。今日は、根室地方も天気が良さそうだし、今から向かえば、きっと展望も望めるであろう。と言うわけで、この時点で納沙布行きに決定。


荷物の一部を北浜郵便局から送る。列車までは、まだ少し時間がある。北浜の町を最後の散策。ちょっとした丘になっている白鳥公園展望台に行ってみる。白鳥のいる濤沸湖から、原生花園、釧網本線の線路、そして流氷の海が望める。ちょうど昨日乗ってきた流氷ノロッコ2号が通過する時間だったので、300mレンズで狙う。


最後に、すぐ近くの濤沸湖の湖畔で、白鳥を撮影。すぐ動くからAFでもピント合わせが大変だけど、動物撮影もけっこう面白いかも。
北浜にもあるコンビニで、今日の昼食を調達した後、北浜から「快速しれとこ」に乗車。
北浜(10:14)
釧網本線
 3727D
  快速しれとこ
この列車、なんと4両も繋がっている。
と思ったら、一般客が乗れるのは、先頭の1両だけ。2両は団体用で、残り1両は、後述の折り返し列車用の回送である。

釧網本線 時刻表
3727D 快速しれとこ
通常時2月中
網走10:1510:01
知床斜里10:5510:55
川湯温泉11:4211:54
標茶12:2712:33
遠矢13:0513:10
東釧路13:1313:17
釧路13:1713:21
ところで、この「快速しれとこ」は、2月中は、臨時列車の流氷ノロッコ号とマウントレイク摩周号の運転に伴い、時刻変更になっている。この先、東釧路で乗り継ぐ根室本線の普通列車5635Dは、時刻表には、東釧路13:14発となっている。と言うことは、2月中は、根室方面に乗り継げないと言うことか。そうなってしまうと、1本遅くなるので、明るいうちに納沙布岬に着くのは不可能になる。朝、釧路駅に電話して聞いてみたが、大丈夫と言っているが今一判然としない。
と言うわけで、知床斜里で15分の停車時間があるので、駅員さんに聞いてみる。駅員さんの方でも「快速しれとこ」が時刻変更になることは分かっていても、接続がどうなるのかまでは分かっていない様子。結局、電話で問い合わせてくれて、根室本線の普通列車5635Dは、時刻変更していて、釧網本線の「快速しれとこ」と接続を取るとのことを確認。根室本線の時刻表の方には、一切時刻変更についての記述はないが、実際には時刻変更がなされていると言うことである。

途中、川湯温泉では、1両切り離しのため長時間停車。どうやら、一番後ろに繋がっていた回送の1両は、流氷ノロッコ号とマウントレイク摩周号の運転に伴い、運休になっている網走発緑行の普通列車4729Dの回送のようである。この普通列車4729D自体は運休になっているものの、緑駅折り返しの緑発網走行の普通列車4732Dは、運転しないと行けない。そのため、普通列車4732D用の車両として、「快速しれとこ」に繋いで川湯温泉まで回送し、川湯温泉で切り離して緑まで回送した後、緑から通常運用に入るようである。臨時の観光列車を運転するために、定期列車がこれだけいろいろと変更になったりして、やりくりしているのである。普段から利用の少ないローカル線で、少しでも観光客に来てもらおうと努力しているのがよく分かる。この影響で、前述の根室本線の列車まで時刻変更になっているのであるから。
東釧路(13:17)
東釧路(13:18)
根室本線
 5635D 普通列車
問題の東釧路での乗り換えもこの無事完了し、根室本線を根室へと向かう。ちなみに、こういう乗り換えをした客は僕の他には皆無。まぁ、確かにこの程度では、時刻表に載せるまでのことではないかも。

またもやキハ54系1両であるが、珍しいことにこの列車やたらと込んでいる。込んでいるところに無理に座るのもイヤだし、運転室脇で景色を眺めて時間をつぶす。
途中、厚岸で海沿いの区間を行く。厚岸湖の氷結した海は印象的である。この厚岸湖、名前は湖であるが、実際には厚岸湾に繋がっているので海みたいである。


次に印象的なのが、終点根室に近づいた落石岬付近である。ちなみに、「おちいし」と読む。
この付近も数少ない海の見える区間であるが、列車は一段高い丘の上を行く。
海とともに印象的なのが、鹿である。線路上の雪の上には、至る所に鹿の足跡がついている。そして、時々、線路上に鹿がいる。列車は徐行して、鹿に注意しながら進んでいく。


2日前には、日本最北端の駅である稚内駅まで行ったが、ここで、日本最東端の駅である東根室駅を通る。予定外ではあるが、この時点で、東西南北の最端駅を全部制覇したことになる。


ちなみに、東西南北の最端駅の記録はこの通り。
最西端松浦鉄道たびら平戸口2001年8月28日
最南端指宿枕崎線西大山2001年8月30日
最北端宗谷本線稚内2002年2月19日
最東端根室本線東根室2002年2月21日
根室(15:24)
(根室)駅前ターミナル(15:50)
根室交通 納沙布線
 7便 
納沙布岬方面行きのバス。と言っても、観光客向けでなく、地元向けの路線バスである。みんな顔見知りらしく、地元の人たちでにぎやかである。しかも、降りるときに、バスがちゃんと停まるのを待ってから立ち上がり、他に客に丁寧に挨拶してから降りるから時間がかかる。おかげでバスも遅れるし。
納沙布岬(16:25)
夕焼けの納沙布岬である。と言っても、納沙布岬は、日本で一番日の出の早い場所である。要にするに日本最東端。夕焼けは西の空だから、陸地側が夕焼けしているだけなんだけど。
以前、夏に来たときは、霧で何も見えなかったが、今日は、北方領土まで見える。本土から見える数少ない海外である。300mmレンズを通してみると、歯舞諸島の方に、ロシアのものと思われる国境警備船なんかも見える。どんどん暗くなってきて、条件が厳しくなっているので、急いで写真撮影。
納沙布岬(17:15)
根室交通 納沙布線
 8便 
帰りのバスは、がらがらである。納沙布岬で一緒になった観光客1人と、途中から1人乗ってきただけ。
しかも、根室郊外は、信号もほとんどなく、バスはどんどん飛ばす。結局、バス停で1回停まっただけで、それ以外はノンストップで月ヶ丘分岐点バス停に到着。
月ヶ丘分岐点(17:43)
ここからは、日本最東端の駅である東根室駅に歩いて向かう。が、その前にバス停の近くにあったモスバーガーで食料調達。コンビニばかりだったから、たまにはこういうのも良いかなと。

事前にある程度の目星はつけておいたので、15分ほど歩いて、東根室到着。
もう暗くなっているが、記念に何枚かストロボ撮影。
それが終わるとやることもない。ホームは、待合室どころかベンチもなく、本当に何もない。誰もいない東根室で、ライスバーガーを食べる。
まぁ、着込んでいれば、屋外に1時間くらいいても耐えられなくもないのだから、天候には恵まれているのか。もっとも、天候が悪そうだったら、根室まで来ようとは思わなかっただろうが。
東根室(18:40)
根室本線
 5637D 普通列車
とりあえず、先に来るのが根室行きなので、これに一旦乗る。ちなみに、車両はおなじみのキハ54。
根室(18:43)
根室(18:53)
根室本線
 5637D 普通列車
さっきと同じ列車で、釧路まで折り返す。
もう暗いし、睡眠時間の補充にはちょうど良い。
釧路(21:07)
釧路(23:00)
根室本線→
 →石勝線→
  →千歳線
 4014D まりも
窓側指定席は売り切れと言っていたので、それなりに乗っているのかと思ったけど、自由席はがらがら。運良く、先頭車の一番前の座席を取れた。しかも、このキハ183系は、運転室が半室で区切られていて、進行右側は、夜間でも前が見えるようになっている。
発車してからしばらくは車内の光が反射して前が全然見えないが、途中から、車内灯が減光されるので、そこからは、夜の根室本線をぼーっと眺めながる。そして、いつしかお休み。途中、石勝線内の楓駅での運転停車で目が覚める。駅名表が読みとれたわけではないが、行き止まり構造になっている特徴的な駅なので間違いないであろう。この楓駅は、1日に1回しか列車が来ないことで有名である。ちなみに、特急列車は脇の線路を通過していくのである。
 その後は、建設時期が新しい石勝線の特徴である、スノーシェルターに覆われた駅なんかを眺めながら、しばらくするとまたお休み。
札幌(5:50)

前日へ 翌日へ
第1日目 北の大地へ
第2日目 日本最北端の地へ
第3日目 流氷の町
第4日目 日本最東端の地へ
第5日目 旅の終わり

旅の記録へ戻る